不動産の査定方法は2種類ある

業者が行う不動産の査定方法は、大きく分けて簡易査定と訪問査定があります。

・不動産の査定方法1.簡易査定

地図や書類などから広さや間取り、周辺情報などの項目を見て、不動産の査定金額を算出する方法です。現地へ行かずに行われるため、机上査定とも呼ばれます。簡易査定は文字情報のみで行えるため、インターネットなどから手軽に不動産の査定を依頼できるというメリットがあります。

・不動産の査定方法2.訪問査定

現地に赴いて査定を行う方法です。不動産および周辺環境の状況をチェックし、査定金額を提示します。チェック項目は多岐にわたり、建物や土地の状態に加えて、近隣の利便性や治安、道の傾斜なども含まれます。簡易査定よりも高い精度で査定額が算出できます。

今治の不動産業者が教える！査定額の算出方法

不動産の査定は主に3種類の算出方法が用いられています。算出方法によって適している不動産が変わります。

・取引事例比較法による不動産査定

売却したい不動産と似たような条件の取引事例を収集し、比較しながら価格を決定する方法です。例外的な構造が少ないマンションの売却でよく用いられます。

算出方法：価格＝取引価格×事情補正×時点修正×地域要因比較×個別的要因比較

原価法よる不動産査定

建物を一から建築することを想定したときに必要な原価を算出し、そこから経年した分の価値を差し引く方法です。一戸建ての査定に使われる傾向にあります。

算出方法：価格＝再調達原価×（1－減価修正率）

なお、再調達原価は現在の建築費相場のことで、減価修正は新築当初から比較してどれだけ減価したのかを修正することをいいます。例えば、建物面積が50平米で建築費単価が70万円／平米、原価修正率が60％の物件だと、「50平米×70万円×（1－60％）」の数式に当てはめます。査定額は「3,500万円×40％」で1,400万円となります。

収益還元法よる不動産査定

将来生み出すと見込まれる収益から査定額を割り出す方法です。賃貸用不動産などによく使われます。収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。

・直接還元法

算出方法：価格＝年間純収益÷還元利回り

年間純収益は家賃収入から諸経費を差し引いた利益のことを指します。還元利回りは年間純収益に対する利回りを意味しています。

・DCF法

算出方法：価格＝年間純利益の現在価値の合計＋予想売却価格の現在価格

現在価値は「年間純利益÷（1＋割引率）のn乗」で求めます。